16 November 2023
株式会社Neautech
代表取締役 | 水本 明宏 氏 氏
株式会社Neautech(ニューテック、以下「Neautech 」)は、オンライン美肌治療サービス「ANS.(アンス)」を提供するスタートアップです。β版の検証を終えて本リリースしたANS.は絶好調。
ユーザー獲得を加速するため、当初の予定を前倒しして広告を増やしたいと考えていました。そのための新たな資金が必要になる中、銀行融資では時間がかかり、ベンチャーキャピタル(以下「VC」)からの調達はより良い条件で資金調達するためにも後ろ倒しにしたいという思いがありました。そんな状況でNeautechが選んだのは、Yoii Fuelを通じたレベニュー・ベースド・ファイナンス(以下「RBF」)による資金調達でした。
Neautech代表の水本さんに、ANS.の概要やRBFを検討した経緯、Yoii Fuelを使った感想などを伺いました。
── Neautech社が提供する「ANS.」の概要を教えてください。
Neautechが運営するのは、オンライン美肌治療サービス「ANS.」です。ニキビやシミといった肌の悩みを抱える方が、スマホから医師によるオンライン診療を受けると、必要な薬が郵送されてくるという仕組みになっています。
薬が届いた後も肌の悩みや薬の服用についての質問はチャットで相談可能です。単に診療するだけでなく、ユーザーの理想の肌を実現するために伴走することを意識しています。
水本 明宏 | MIZUMOTO Akihiro
株式会社Neautech 代表取締役社長中央大学法学部卒業。WEBマーケティング・開発PM・プロダクトマネジメントを経験後、社内外の新規事業開発に従事。2020年より美容・AGA・ピルなどのオンライン診療サービスや検査サービスの新規事業開発を実施。
── 「ANS.」という名称は、「answer」が由来ですか?
その通りです。肌の悩みの中には、医療におけるanswer、つまりどのような治療をして薬を処方すればいいのか、既にわかっているものも多くあります。そのため肌の悩みを抱えている方は、まず医療機関に行って薬を処方してもらうのがベストだと我々は考えています。
しかしそのことを知らないばかりに、広告に騙されたり、自分に合わない薬を使ってしまい、有効な治療に繋がっていないという方は少なくありません。
こういった問題を解決するのがANS.のミッションです。まずはオンライン診療という形で課題解決に取り組んでいますが、肌診療のanswerを届けるために必要なことは全てやっていきたいと考えています。
── ANS.の使い方を教えてください。
ユーザーはANS.のサイトから問診を記入し、患部の写真を撮影してチャットやビデオ通話で医師の診察を受けます。医師は問診内容や写真から処方を提案し、ユーザーが処方内容を承認して決済すると、最短で翌日には自宅に薬が届きます。
薬の配送後も、定期検診や希望に応じた再診、「HADA相談室」というチャットを使ってユーザーをサポートしております。肌の悩みや薬の服用に関しての疑問をいつでも質問可能な体制を敷いています。
── 対応するのはどのような医師でしょうか。
ANS.で診療や悩みに回答するのは、日本全国の、他の医療機関で働いている医師や子育て中で自宅にいる医師などです。とはいえ、ユーザーは個別の医師に診療してもらったというよりも、ANS.というサービスに診療してもらっていると認識している方が多いようです。
そのため、患者と適当なやりとりがあるとANS.の信頼が毀損してしまいますので、サービスの品質管理にはかなり気を使っています。
── ANS.を使ったユーザーからはどのような感想が来ているのでしょうか。
前提として、ユーザーは肌のことで何か悩んだ際にANS.に相談します。ユーザーから相談があったら控えている医師が早々に診療したり悩みに返信したりするわけですが、このような治療体験はまだ皆さんあまり経験がないようで、驚いてくれる方が多いですね。
それらの体験が積み重なることで、「私はANS.信者です」「ANS.が言うことに従います!」と言ってくれるユーザーも出てきました。それぐらいかなり密接に寄り添えているということは、他社との差別化要素になっていると思います。
ただ肌診療という都合上、薬を服用してすぐに効果がわかるわけではありません。そのためANS.は、使い始めてから徐々にサービスの満足度が上がっていく点が特徴です。良さをわかってもらうために少し時間がかかるというのは、サービス運営上の難しいところですね。
── Neautechは2022年に設立され、今急成長していますね。会社を立ち上げた経緯を教えてください。
私は大学を卒業後、人材系のベンチャー企業に入社し、ウェブマーケティングを担当していました。そんな中、2020年のコロナ禍真っ最中にオンライン診療関連の案件を担当することになります。
以前はオンライン診療を使うにしても、初診は対面でなければいけないなどの規制があったのですが、コロナ禍ということもあってそれらが徐々に解禁された時期でした。それからオンライン診療の案件につきっきりになり、だんだんこの分野に詳しくなっていきました。
時を同じくして、元同僚でNeautech前代表の樫根は美容皮膚科クリニックに関わっており、そこからスピンアウトする形でオンライン診療の会社を立ち上げることになりました。そこに私も参画することにして、2022年に樫根と一緒にNeautechを起業しています。
── それではファイナンスの話も聞かせてください。これまでの資金調達は、どのような手法を用いられてきましたか?
金額的に大きいのはVCからの資金調達で、少額ですが銀行からの借入もあります。設立したのが2022年と社歴も浅くまだ赤字ですし、相談しにいったときはまだサービスの正式リリース前だったので、この段階での銀行借入はやはり難しい印象を受けました。
── 銀行は形式要件もありますし、確かに3期程度は経っていないとなかなか難しい印象はあります。
このような状況で、次のファイナンスまでなるべくランウェイを伸ばしたい(編注:「次の資金調達をなるべく後ろ倒しにしたい」の意)と思って色々調べていたところ、RBFのことを知りました。
── RBFを知ったときの印象を教えてください。
「将来発生する売上を見合いにいま必要な資金を調達できる」という概念はシンプルでわかりやすかったですね。またスピード感をもって対応いただけるというのは魅力的でした。
── それでYoii Fuelを使っていただいたんですね。資金使途はなんでしょうか?
ほとんどがウェブ媒体の広告費です。データとクリエイティブ、マーケティングがピタッとはまって、今ANS.はかなり調子が良いんですよ。それで当初の事業計画よりも前倒しで広告費を投下し、サービスの成長を加速させたかったんです。それがRBFに関心を寄せた理由でもあります。
── Yoii Fuelを使う前後で何かギャップはありましたか?
特にはありません。強いて言うなら「こんなに早く(資金調達が)終わるんだ」というプラスのギャップはありましたね。VCですら「あと半年様子をみたい」という会社もある中、こんなに素早く対応していただけたのは驚きました。
また、余計なコミュニケーションが少なかったことも嬉しかったです。例えば、融資を受けようと銀行に相談すると、資料提出や質疑応答だけでも2〜3ヵ月はかかります。一方でYoii Fuelは、単純にやりとりが少なく、面談も1〜2回で終わり、あとはメッセージでのやりとりだけで手続きが完了しました。
提出する資料も手元にあるものと広告の管理画面くらいで、わざわざサービスを利用するために作ったものもありません。忙しい中わざわざ新しい資料を作るのは大変じゃないですか。それがなかったのはかなり助かりました。
ちなみに、NeautechはBeyond Next Ventures株式会社から出資を受けており、同社はYoiiが展開しているベンチャーキャピタルパートナープログラムに参画しているため、手数料も通常よりお得にしていただいたのも嬉しかったです。
── Yoii Fuelに何か不満はありませんか?
強いて言うなら、もっと大きな金額が借りられると嬉しかったのですが(笑)。ただ今回は初回ですし、事業規模的にも仕方がないかと思っています。
── 申し訳ないです。ただ、このまま成長していただければ、もっと大きな金額も貸し出せるようになるかと思います。
次回はぜひよろしくお願いします(笑)。
── 最後に、ANS.の今後の展開を教えてください。
私たちのパーパスは医療とテクノロジーを使ってユーザーの悩みを解決していくことで、今のミッションはANS.をもっと多くの患者さんに知っていただき、美肌治療のアンサーを届けることです。私たちのサービスを通して肌や身体で悩んでいる方々の悩みを取り除き、日本全国をハッピーにしていきたいですね。まだまだ小さな会社ですが、そういったことを実現できるくらい、会社を大きくしていきたいです。
── Yoii Fuelもそのお手伝いをさせてください。本日はありがとうございました。
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