29 October 2024
1. ビジネスローンとは何か?
2. ビジネスローンのメリットとデメリット
メリット
デメリット
3. ビジネスローンの種類
①銀行系ビジネスローン
②信販系ビジネスローン
③消費者金融系ビジネスローン
①当座貸越
②証書貸付
③手形貸付
4. こんな事業者や個人事業主におすすめ
創業間もない場合:
急な資金需要が発生した場合:
少額の資金調達を希望する場合:
5. よくある資金使途
6. ビジネスローンと他の資金調達手段との比較
7. ビジネスローン利用の流れ、申込条件、必要書類
8. よくある質問(FAQ)
Q. ビジネスローンとカードローンは何が違う?
Q. 必ず借りられるビジネスローンはある?
Q. 審査に通るためには?
9. RBFという調達の選択肢
資金調達に悩む経営者や担当者の方へ。資金繰りの悩みは、事業の成長を妨げる大きな要因の一つです。そんな時に頼りになるのが「ビジネスローン」です。銀行プロパー融資よりも審査が柔軟で、スピーディーに資金調達できるのが魅力です。この記事では、ビジネスローンの基礎知識からメリット・デメリット、種類、利用シーン、審査基準、注意点まで、網羅的に解説します。
資金調達を検討されている経営者や財務担当者の方は、ぜひご活用ください。
こんな方におすすめ
この記事のサマリ
ビジネスローンとは、法人や個人事業主が事業資金を借り入れるためのローンのことです。資金の使い道は事業資金に限定されており、銀行や信販会社、消費者金融など、様々な金融機関が提供しています。また、申込むことができるのは法人および個人事業主のみで、事業を営んでいない個人は対象外となります。
特徴は、銀行融資よりも審査が柔軟で、融資までのスピードが早い点です。 銀行融資は審査に1ヶ月程度を要することが一般的で、多くの書類を準備する必要があります。一方でビジネスローンは、オンラインで申し込むことができ、必要書類も比較的少ないため、1週間〜10日前後で利用することができます。
ビジネスローンは、他の資金調達方法と比較して、メリットとデメリットがあります。
一般的に最短即日〜10日程度で資金が調達できます。
銀行融資や公的融資を受けるには、基本的に担保・保証が必要ですが、ビジネスローンは、原則無担保で申込みできる場合が一般的です。提供会社によっては、経営者保証も不要な場合があります。
銀行融資などと比べて審査基準が柔軟で、創業間もない企業や個人事業主でも利用しやすいことが一般的です。
申込みから契約まで、オンラインで手続きできる場合が多く、資金調達に関する手間を削減することができます。
事業融資の場合、金利は銀行融資では1~3%程度が一般的ですが、ビジネスローンの金利は10%前後と、銀行融資や公的融資と比較して高めに設定されています。
借入限度額は日本政策金融公庫で7,200万円(うち運転資金4,800万円)、銀行融資で数千万円〜1億円程度に設定されていることが一般的ですが、ビジネスローンは数百万円程度と、借入限度額が低めに設定されている場合が多いです。
参考:個人事業主の場合は総量規制に関する条件に注意が必要です。総量規制とは貸付に関する規制のことで、貸金業者は個人事業主に対して、年収の3分の1を超える貸付をすることを禁止されています。なお、法人は総量規制の対象とはなりません。
(Yoiiのブログではスタートアップ・中小企業の皆様に向けて、資金調達に役立つブログ記事「資金調達のイロハ」を公開しています。こちら もぜひご覧ください。)
ビジネスローンは、提供元によって以下の3種類に大別できます。
銀行が提供するビジネスローンです。 金利は比較的低めに設定されている傾向がありますが、審査は厳しく、融資までに時間がかかる場合があります。
信販会社が提供するビジネスローンです。 銀行系と消費者金融系の中間に位置し、審査の厳しさや金利もその中間程度です。
消費者金融が提供するビジネスローンです。 審査が比較的通りやすく、即日融資も可能な場合がありますが、金利は高めに設定されている傾向があります。
それぞれの特徴は一般的に以下の通りです(目安)。
提供元 | 金利相場 | 限度額 | 審査期間 | 審査の厳しさ |
---|---|---|---|---|
銀行 | メガバンク:1%台~14.0%地方銀行など:3.0~15.0% | メガバンク:高い、1億円程度のものもある地方銀行など:低め、おおむね300万~1,000万円、5,000万円のものもある | 比較的長め | 通常の融資よりは通りやすいが、他の金融機関よりは厳しめ |
信販会社 | 5.0〜18.0% | 低め、おおむね500万円、1,000万円超のものもある | 最短3営業日、最短即日などもあり | 通りやすい |
消費者金融 | 6.0~18.0% | 低め、1,000万円程度のところもある | 最短で即日 | 通りやすい |
さらに、借入方法によって、以下の3つの種類があります。
審査に通ると、一定の融資枠が設定され、その範囲内で必要な時に必要な金額だけを繰り返し借り入れできます。
審査に通ると、決められた融資額を一括で借り入れる方法です。 長期的な借入に向いていますが、追加で借入が必要な場合は再度審査が必要です。
約束手形を発行することで一括で借り入れる方法です。 他の借入方法に比べて融資スピードが早い傾向がありますが、一括返済が必要というデメリットもあります。
ちなみに...
女性専用向けのビジネスローンも存在します。その背景として、1970年代以前は女性が男性の保証人なしで単独でビジネスローンを取得することは非常に困難でした。アメリカで1974年に「Equal Credit Opportunity Act(消費者信用機会均等法)」が成立したことで、この男女格差が是正され、結果的に女性起業家の台頭が促進されました。日本でも、日本政策金融公庫が「女性起業家支援資金」などを設けており、低金利で融資を行うことで、女性の起業活動を後押ししています。
参考:日本政策金融公庫, 女性の開業にみられる変化と新規開業の小規模化の動き ─男女の開業者の同質化に着目した一考察─
ビジネスローンは、以下のような事業者や個人事業主におすすめです。
銀行プロパー融資は実績が重視されるため、創業間もない企業や個人事業主は審査に通るのが難しい場合があります。ビジネスローンは、審査基準が比較的柔軟なため、創業間もない企業や個人事業主でも利用しやすいです。
設備の故障や急な仕入れなど、事業に予期せぬ資金需要が発生することがあります。ビジネスローンは、スピーディーに融資を受けられるため、このような場合に役立ちます。
数百万円程度の少額の資金調達を希望する場合、銀行融資よりもビジネスローンの方が手続きが簡単で、スピーディーに融資を受けられます。
ビジネスローンの資金使途は事業資金に限定されることが一般的です。その中でも以下のような資金使途で利用されることが多いです。
ビジネスローン以外にも、資金調達方法はいくつかあります。代表的なものを以下にまとめます(目安)。
資金調達手段 | 金利、手数料など | 資金調達までの期間 | 調達できる限度額 | 審査基準 |
---|---|---|---|---|
ビジネスローン(ノンバンク) | 10.0~18.0% | 最短即日 | おおむね500万円1,000万円超のものもあり | 銀行プロパー融資より通りやすい |
銀行・信用金庫プロパー融資 | ・銀行:およそ1.0~3.0%・信用金庫:およそ2.0~4.0% | ・銀行:1週間~1か月・信用金庫:1~3か月 | 金融機関ごと、融資を受ける企業ごとに異なる | 厳しい |
政府系金融機関(日本政策金融公庫) | 0.30~2.80% | 1か月程度 | ・小規模企業:おおむね7,200万円・中小企業:おおむね7億2,000万円 | やや厳しい |
RBF | 手数料(資金調達額の3%から15%程度) | 最短4営業日 | 数百万円〜数億円 | 銀行融資より通りやすい |
それぞれの資金調達方法には、メリット・デメリットがあります。資金調達の目的や状況に応じて、適切な方法を選択することが重要です。
ビジネスローンの利用の流れは、以下の通りです。
1 | 金融機関の選定 | 金利、限度額、融資スピード、審査の厳しさなどを比較検討し、自社に合った金融機関を選びます。 |
---|---|---|
2 | 申込み | オンラインで申込むことができるのが一般的です。 |
3 | 必要書類の提出 | 本人確認書類、決算書などを提出します。 |
4 | 審査 | 金融機関は、提出された書類に基づいて、融資の可否を判断します。 |
5 | 契約 | 審査に通ると、契約手続きを行います。 |
6 | 融資実行 | 契約手続きが完了すると、指定の口座に振込みが行われます。 |
ビジネスローンの申込条件は、金融機関や商品によって異なりますが、一般的には以下の点が挙げられます。
個人事業主の場合は、以下の条件も確認するようにしましょう。
上記以外にも、金融機関や商品によっては、独自の申込条件が設定されている場合があります。ビジネスローンを申し込む前に、必ず金融機関のウェブサイトなどで申込条件を確認するようにしましょう。
ビジネスローンの申し込みに必要な書類は、金融機関や商品によって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。
A. ビジネスローンとカードローンの違いは、主に融資対象と資金使途にあります。
カードローンは、主に個人向けの融資であり、プライベートな利用を想定しています。 そのため、事業資金としての利用は制限されている場合が多いです。 ビジネスローンは、事業者向けの融資であり、資金使途は事業性資金に限定されていることが一般的です。
A. 必ず借りられるビジネスローンはありません。
金融機関は、ビジネスローンの申し込みを受けると、その企業や経営者の信用情報や事業計画などを審査し、返済能力があると判断した場合にのみ融資を行います。審査基準は金融機関によって異なり、必ずしも審査に通るとは限りません。
A. 金融機関によって審査基準は異なりますが、以下の内容に注意することが必要です。
過去に借金や税金の滞納・延滞があった場合や、経営者が自己破産などの金融事故を起こしている場合は、審査に落ちる可能性が高くなります。返済能力が不十分と判断された場合や、開業年数が浅く経営が安定していないと判断された場合、多重申し込みや借入希望額が非現実的な場合も、審査に落ちる可能性があるので注意しましょう。
ここまで、ビジネスローンについてご紹介しました。この調達手法は、手間や時間をかけずに資金を調達できるというメリットがありますが、一方で、大口での調達が難しい場合があり、希望の資金調達額に満たない可能性があるといったデメリットも存在します。
そこで、ビジネスローンのメリットを残したまま、比較的大口での資金確保が可能な新しい資金調達手段として、RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス) をご紹介します。
RBFとは、過去の売上データや現在の財務状況から将来の収益を予測し、その一部を利用する調達手法です。RBFの特徴として、①数億円までの大口での調達が可能、②手間と時間をかけずに調達可能、③希薄化一切なし、といったメリットがあります。また、将来の売上に対して審査・評価を行うため、ビジネスローンと同様に、銀行融資による調達が難しい場合でも活用が可能です。
他の調達手段と比較すると以下のような違いがあります。
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